2015年10月9日金曜日

ドゥルーズ&ガタリ『哲学とは何か』読書会 第二十八回

読書会のお知らせです。

日時:10月16日(金曜日) 18時30分-21時
場所: 都内某所
テクスト:ジル・ドゥルーズ&フェリックス・ガタリ『哲学とは何か』
(財津理訳、河出書房新社、2012年)
範囲:第二部第六章「見通しと概念」230-?頁
担当:大久保

今回は第六章の続きです。
ただ、前回第五章末尾のレジュメが間に合わなかったので、
その部分を軽くまず振り返りたいと思います。
そのあとで第六章の読解に戻ります。

前回は予想通り論理学の用語やゲーデルの定理に躓いて、
なかなか読み進めることができませんでした。
今回は前回の議論をふまえたうえで進めたいと思います。

今回の範囲では、まず、論理学の命題が見通しProspectであり、
真なるものの再認に他ならないとされます。
つまり、すでに構成されている事実(物の状態)を
改めて認めることが論理学の命題の働きだというわけです。

しかし、D&Gによれば、思考の本来の働きは、
そうした事実から潜在的なレベルに遡行することにあります。
今ある現実を成立させている、思考と存在の相即した<思考=自然>を
引き出すこと。

また、D&Gの批判は超越論哲学にも向けられます。
超越論哲学は事実ではなく主観の体験を拠りどころにし、
その「見通し」は趣味判断であるオピニオンであるとされます。
しかし、超越論的主観という一種の超越にすべてを従属させる
超越論哲学にも、やはり思考の無限運動が欠けていることになるでしょう。

今回はこのあたりの議論まで読み進めることができないかもしれませんが、
今後の「見通し」のために簡単にまとめておきました。
これを土台にしてみなさんと議論できれば面白いと思います。