2017年3月18日土曜日

『シネマ』読書会 第2回

遅くなりましたが、読書会のお知らせです。

日時:3月21日(火曜日) 18時30分-20時30分
場所: 都内某所
テクスト:ジル・ドゥルーズ『シネマ1』
(財津理・齋藤範訳、法政大学出版局、2008年)
範囲:第二章「フレームとショット、フレーミングとデクパージュ」 23-46頁?
担当: 大久保

今回は第二章を扱います。章全体を読み切るのは時間的に難しそうですが、
全三節のうち最初の二節はなんとか読みたいと思います。
また、今回の範囲ではかなりたくさんの映画が参照されているので、
できるかぎり見ながら読み進めたいと思います。
映像ソフトをお持ちの方は持ち寄ってもらえるとありがたいです。

第二章の第一節では、フレームcadreがいくつかの観点から
分類されます。このとき、まず、第一章でベルクソンを参照しながら
なされた区別、すなわち総体ensembleと全体toutの区別を前提として、
フレームは、要素が限定された総体(数学でいう集合)として
特徴づけられます。
そして、フレーム内の要素が多いのか少ないのか、
フレームが幾何学的に構成されているのか力学的に構成されているのか、
等々と分類されていきます。

第二節では、ショットplanが、フレーム内での諸要素の運動として
捉えられ、これが運動イメージと呼ばれることになります。
そして、ここでも第一章の先の区別が前提とされ、
運動は全体の変化の表現と捉えられます
(コップをかき混ぜる運動は、水から砂糖水へという全体の変化を表現している…)。
したがって、運動は、総体内の要素を動かすことによって
持続という全体を分割すると同時に、
それら要素を再結合することで、全体の変化を表現するという
二重の側面をもつと語られます。

第三節ではさまざまなショットのあり方
(カメラの運動、シークエンス・ショット)を分析しつつ、
そこからショットや運動の一性が導かれていきますが、
それは次回の読解範囲になるでしょうか。

テキストで参照されている名作たちをちょこちょこと見ながら、
読解を進めることにしましょう。