2017年1月28日土曜日

ドゥルーズ&ガタリ『哲学とは何か』読書会 第四十一回

読書会のお知らせです。

日時:1月31日(火曜日) 18時30分-21時
場所: 都内某所
テクスト:ジル・ドゥルーズ&フェリックス・ガタリ『哲学とは何か』
(財津理訳、河出書房新社、2012年)
範囲:結論「カオスから脳へ」355-367頁

前回、本書の最終部分が残ってしまったので、
今回が本書の読書会の最終回になります。
また、読み終えたあとは、本書全体についての議論や、
次に読む『シネマ』について簡単な導入もできればと思います。

前回の範囲では、カオスとオピニオンとの二重の闘いを繰り広げる
思考の三つの形態、哲学、科学、芸術に対して、
脳は、それぞれの形態の描く平面が接合される(統一されるのではなく)
器官として位置づけられました。
さらに、人間が考えるのではなく脳が考えるのだとされ、
脳こそが思考の「主体sujet」であると主張されました。

今回の範囲では、まず、思考の形態ごとに
主体のあり方が分類され、
前回扱った、自己俯瞰する「自己超越体superjet」としての
哲学的主体、
感覚を観照し縮約する、自己享受としての主体(injet)である
芸術的主体、
認識する主体(ejet)としての科学的主体がそれぞれ論じられます。

本書の最終部分では、前回も紹介したとおり、
思考の三つの平面同士の干渉が問題となります。
そしてさらに、各平面に内在する干渉として、
《非》Nonとの関係が挙げられます。
思考のそれぞれの形態はそれ自身にとっての《非》と
本質的な関係をもち、この《非》は、各平面が
カオスと立ち向かう臨界点において見い出される、と。
この《非》が「来るべき民衆」と重ね合わせられたところで
本書は終わりを迎えます。

長かった旅も今回でひとまず終わりです。
本書全体をめぐって楽しく議論できればと思います。