2017年7月20日木曜日

『シネマ』読書会 第6回

読書会のお知らせです。

日時:7月24日(月曜日)18時30分-21時
場所: 都内某所
テクスト:ジル・ドゥルーズ『シネマ1』
(財津理・齋藤範訳、法政大学出版局、2008年)
範囲: 第3章「モンタージュ」第3節
    第4章「運動イメージとその三つの種類」
担当: 78-80頁 乙部
    80-104?頁 大久保

前回、第5回は事情によりブログで告知できませんでしたが、
無事に開催されました。

今回でなんとか第3章を読み終わりたいと思います。
おそらく第3章第3節を読み切って時間切れだと思いますが、
可能ならば第4章の出だしぐらいまで行きたいと思います。

今回の範囲は、ドゥルーズの分類によれば、
4つの種類のモンタージュのうちの最後の二つ、
フランス戦前派とドイツ表現主義が分析の対象になります。

モンタージュの最初の二つ、アメリカ映画とソビエト映画が
有機的なモンタージュによって特徴づれられるのに対し、
フランス戦前派とドイツ表現主義は、非有機性によって規定されます。
ここで参照されるのが、カントの崇高の理論です
(後者二つのモンタージュが崇高で捉えられていることからすると、
テクストでは述べられてはいませんが、
前者二つのモンタージュをカントの「美」として捉えることは可能かもしれません。
そこでポイントとなるのは有機性=合目的性だと思いますが、
このあたりの話は、読書会で)。

カントの崇高が数学的と力学的に別れるように、
フランス戦前派が測定可能な運動の量の増大によって
精神的なものを示そうとするのに対して、
ドイツ表現主義は光の強度によって「全体」の表現を図ろうとします。
その他にも、時間の問題、あるいは、D&Gの「器官なき身体」を思わせる、
非有機性の問題など、興味深い論点はたくさんあるのですが、
どうしても図式的な理解になりやすい危険性があるので
できるだけ映像を見ながら読み進めていけたらと思っています。

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